ナノ赤外分光顕微鏡 neaSCOPE

製品情報

ナノ赤外分光顕微鏡 neaSCOPE

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neaSCOPEは原子間力顕微鏡(AFM)と可視光からテラヘルツ波長域までのレーザ光源/検出器を組み合わせた装置で、AFMによる高分解能の構造・機械物性情報と同時に、10nmに迫る高空間分解能で有機分子の光の反射/吸収マッピング/スペクトル測定が可能です。
・AFMによるトポグラフィー、表面電位、弾性率測定
・可視光~赤外~テラヘルツ波領域での
 吸収/反射イメージングおよびスペクトル測定

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ナノ赤外分光顕微鏡 neaSCOPE 特徴

neaSCOPEとは

neaSCOPEとはAFMとFT-IRを組み合わせた装置です。
AFMはナノメートルオーダーの分解能を持ち、機械的な特性を測定することを得意としていますが、化学的な成分の同定は不可能です。
一方、FT-IRは分子振動に対する感度が高く様々な化学的な成分の同定に広く利用されている測定手法です。ただし赤外光を使用するため高分解能化が難しく、用途が制限されてしまいます。

neaSCOPEは、お互いのデメリットをなくし様々な化学成分の同定を10nmという非常に高い空間分解能で実現することが可能な装置です。

赤外光とサンプルの相互作用の検出メカニズム


①光学的に相互作用を検出する方法 (s-SNOM・nano-FTIR)

②機械的に相互作用を検出する方法 (熱膨張方式)

neaSCOPEでは①・②双方の検出方式に対応しており、多種多様な測定が可能です。

s-SNOM(散乱型近接場光顕微鏡法)によるイメージング

neaSCOPEの光学系と取得できるデータイメージ

 neaSCOPEではs-SNOM(散乱型近接場顕微鏡法)により、サンプル表面の形状像と共に赤外反射・吸収像を取得することが可能です。

また、使用する光源をスイッチすることで一般的なFTIRのように赤外吸収スペクトルの測定をナノオーダーの空間分解能で測定可能です。

 

 

その他製品特徴

・10nmに迫る高い空間分解能での赤外光イメージングとFTIRスペクトル測定
・原子力間顕微鏡による機械的特性評価と近接場による化学組成マッピングの同時測定
・サンプルの薄片化が不要(AFM測定に適合した表面状態を準備するだけで測定可能)
・ワークフロー方式のソフトウェアにより簡単に測定が可能
・測定環境制御可能(加温、冷却、低真空、他)
・散乱型近接場顕微鏡(s-SNOM, nano-FTIR)方式の他、tapping AFM-IR+ (熱膨張方式)の測定も追加可能

装置構成例

neaSNOM構成


仕様表 (※一例となります。装置構成により異なります。)

AFMユニット
スキャン範囲 100μm × 100μm (クローズドループ)                 
高さ方向ノイズレベル <0.2nm (RMS)
サンプルステージ可動域(X,Y,Z) 60mm, 15mm, 8mm
光学ユニット
最多搭載可能検出器数 2
最高空間分解能 ブロードバンドレーザー、チューナブルレーザー、OPOレーザー など
サンプルステージ可動域(X,Y,Z) <10nm
深さ方向感度 表面から数nm~程度 (対象サンプルおよび測定条件に依存)

 

関連アプリケーション一覧

ポリマーブレンドの相分離構造のナノスケール解析

PMMA構造に着目した、波数1740cm-1 によるイメージング。反射強度マッピングおよび吸収マッピングとともにAFM像と同時取得されます。SN比良く測定され、数十nmレベルの細かい構造まで組成情報を可視化できます。

Scan parameters: w=1740cm-1 (λ=5.75µm)、Time constant (Lock-In): 0.52ms

AFM reflection absorption
AFM高さ像 近接場反射 近接場吸収

製造プロセスにおける欠陥解析(異物の同定)

PMMA母材に付着した主成分をPDMSとする異物を母材の影響なく、高空間分解能で指紋領域スペクトルを取得。

また、同一サンプルでPMMA/シリコン界面を横断するようにラインスペクトルマッピング(20nmステップ30点)を行った際、界面近傍ではPMMA由来のピークが1ステップのうちに消失しており、上述の波数固定のイメージングだけでなく、分光においても高い空間分解能が確認されています。


SiC基板上グラフェンのプラズモン高分解能イメージング

AFMプローブを介して局所的に励起と検出を行い、グラフェン片の幅に応じて表面プラズモンの共振点を可視化するなど、プラズモンの分散状態を回折限界を超えた分解能でイメージング。
またゲートバイアスを印可しながら表面電位の変化に伴う分散の変化の様子も観察することができます。

引用元: nature bannerJ. Chen et al., Nature 487, p.77 (2012)


自由キャリア分布の可視化

半導体においては、誘電率 e(ω) は自由キャリア濃度 n に依存することを利用し、赤外からテラヘルツ領域までキャリア濃度に応じて波長を選択し、トランジスタ(図は65nm単一FET) 中の自由キャリア濃度をマッピングすることができます。

semicon

またDrudeモデルに基づき、キャリア濃度について、より直接的に定量的に迫ることが可能です。

 引用元: nano letter bannerA. Huber et al., Nano Lett. 8, 3766 (2008)


極薄膜蛋白質の同定

単分子レベルの膜厚においても、スペクトルを取得し同定することが可能です。また厚みが10nmを切るような膜に対しても、高感度・高分解能に有意な分光測定を行った実績があります。

ferritinprotein membrane

引用元:  I. Amenabar et al. Nature  Comm. (2013),  4, 2890

♢金属酸化物半導体トランジスタのナノスケール IRイメージング
https://www.qd-japan.com/product_app/nanoftir_semiconductoririmaging/

♢市販SRAMデバイスの10nm 相関ナノイメージング
https://www.qd-japan.com/product_app/nanoftir_semiconductor/

Nano-FTIRによるポリマーの解析
https://www.qd-japan.com/product_app/nanoftir_polymer/

♢リチウムイオン電池電極材料の観察
https://www.qd-japan.com/product_app/nanoftir_batteryelectrode/

♢二酸化バナジウム絶縁体の観察
https://www.qd-japan.com/product_app/nanoftir_vanadiumdioxide/

♢AFM-IRとs-SNOMの比較
https://www.qd-japan.com/product_app/afm-ir-vs-s-snom/

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