LS Spectrometer™ V-MALS

製品情報

LS Spectrometer™ V-MALS

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LS Spectrometer™は、数あるSLSやDLSに基づく粒子特性評価装置の中でも、最も洗練された装置の一つです。 データに与える多重散乱の寄与を省くために、革新的な3Dクロスコリレーション技術を採用しており、サンプルを希釈する必要はありません。サンプル本来の状態のまま、粒径や形状・構造因子、分子量、回転および並進拡散係数を測定することができます。

LS Spectrometer™ 特長

3D クロス-コリレーション技術

SLSやDLSの主な欠点は、単一散乱による測定と解析が必要条件となるため、測定は透明なサンプルに限られていました。懸濁サンプルや不透明なサンプルを測定すると、多重散乱により測定が影響され、間違った値を出力してしまいます。低濁度サンプルでさえこの傾向は見られ、アーティファクトが頻繁に含まれ、時には気づかないうちに結果が影響されています。

3Dクロス-コリレーション技術は、この多重散乱の効果を低減するのに非常に有効な手法です。入射光を二つに分けて同じ体積を同じ散乱ベクトルで同時に光散乱測定します。この方法では、単一散乱の寄与は2つの測定で同じ値になりますが、多重散乱の寄与は異なります。結果として、2つの測定結果の相関がクロス-コリレーション関数となり、単一散乱の寄与のみ得ることができます。 さらに3Dクロス-コリレーション技術により、角度依存単一散乱の寄与による全測定散乱強度を積算することで、強散乱系でのSLSも可能です。

LS Spectrometer™ オプション

変調3Dクロス-コリレーション技術

測定技術概念図
3Dクロス-コリレーション技術は従来法と比較すれば明確なアドバンテージがありますが、測定の効率という点では、サンプルによっては完全な測定技術とは言えません。二つの検出器の間のクロストークのために、最大受光効率は1から0.25へ下がってしまい、SN比が悪くなります。
3Dモジュレーションオプションによりこの欠点は解決されます。測定系のダイナミクスの時間スケールを超える周波数で入射光をモジュレーションし検出光を選別することにより、2つの散乱測定が時間的に分離されます。このロバストなモジュレーションにより、2つの検出器間のクロストークは省かれ、受光効率は4倍改善されます。モジュレーション3Dクロス-コリレーション技術は測定ソフトにより選択可能で、標準3Dクロス-コリレーション、擬クロス-コリレーション、および自己相関もそのままご使用できます。
※モジュレーション3Dクロス-コリレーション技術では、最小平均ラグタイムは3.2usになります。


サンプルゴニオメーター

ゲル、ガラスや泡などの非エルゴード系の測定向けの連続的に回転可能なゴニオメーターです。サンプル内の光学長が調整可能で0.2mm程度に減らすことができるΘ-2Θ検出を使った直方体セルでは、極めて懸濁しているサンプルに対してもDLSやSLS測定できます。測定ソフトにより受光部とサンプルを独立にそれぞれ回転させます。


温調用外部サーキュレーター:Julabo CF31

優れた温度安定性(+/- 0.02)を持ち、-30°から 200°Cの範囲で温調可能なバスを持つ、LSスペクトロメータ―に最適なサーキュレータです。他の製品と比較して加熱や冷却時時間が劇的に短縮します。装置測定ソフトにより、温度を変えながらの測定をプログラミングすることも可能です。
製品:温調バス、サーキュレーター、セットアップ、キャリブレーション、ソフトウエア
※本サーキュレータをご使用の場合は、10°-70°Cの範囲内の測定を推奨いたします。


レーザオプション

幅広い波長域をカバーする、自社製品に最適な高品質なレーザをオプションとして提供しております(波長域:457nm、491nm、532nm、561nm、633nm、660nm)。レーザ本体には、LSスペクトロメータに最適なヒートシンク付きの特別な架台が含まれております。標準レーザ仕様としてLSスペクトロメーターには出力21mW の HeNeレーザを推奨しております。
ただし、散乱が小さいサンプルを測定する場合や3Dクロス-コリレーション技術を使用し感度が低下する際には、上記レーザでは出力が足りないため、さらに高出力レーザ(100mW)を提案しております。


LSI Zimmプロットソフトウエア

コロイドサンプルのサイズ、構造や相互作用は品質管理や研究開発の現場においては非常に重要になります。分散材の濃度を変えつつ数種類のサンプルを測定するSLSにより、分子量、旋回半径、および第二ビリアル係数を求めることが可能です。このソフトウエアでは、上記のような物理特性をSLS測定により得られた実験データから抽出するのに必要なデータ処理を簡便に行うことができます。

LS Spectrometer™ 仕様

標準測定モード • 粒子サイズ測定 0.15nm ~ 5µm(旋回半径、流体力学的半径)*
• 粒度分布
• 多分散性測定
• 拡散係数
• 平均二乗変位
• 分子量
• 第二ビリアル係数
• レーリー比
• 形状・構造因子
• 内部粒子間距離
• プロセスモニタリング (ゲル化、凝集、エイジング…)
散乱角 12°- 155°(分解能 0.01°以上)
マルチタウコリレータ 最小サンプリングタイム12.5ns
チャンネル数:322(マルチタウ)、1000以上(線形)
遅延時間:12.5ns – 54976s2
キュベットサイズ 外径 5mm、 10mm
※5mmキュベット使用時、必要サンプル量 50ul
測定温度 10 – 70℃(オプション使用時)
検出器感度 量子効率65%@633nm、暗電流<250カウント/s
レーザ 波長域:457nm、491nm、532nm、561nm、633nm、660nm
装置サイズ 1,600mm × 900mm
動作環境 温度17 ~ 26℃(±1℃/h)、湿度60%以下
付属品 PC、22インチモニター

* 最大レンジ、サンプルに依存します

LS Spectrometer™ アプリケーション

強散乱系の3Dクロス-コリレーションによる粒形評価

DLS測定では光の散乱強度の揺らぎから計算されます。従来のDLSでは自己相関関数に基づき計算されますが、希釈された単一散乱が仮定できる測定系でのみ正しい値を算出できます。多重散乱によるエラーの大きさが自己相関関数から導き出すことができないため、強散乱系の測定では間違った結果を測定者が気づくことなく得ることになります。ここではいくつかの濃度で測定された結果を示し、3Dクロス-コリレーション技術を使用した結果と自己相関関数により取得されたデータを比較することで、この問題点を説明します。

動画

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