TrueDyne社製 インライン式 液体用密度計

製品情報

TrueDyne社製 インライン式 液体用密度計

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スイス TrueDyne Sensors社はMEMSセンサを使用した非常に小型の各種センサ開発に取り組んでいます。
DLO-M2は検出器にMEMSを使用することにより、センサのサイズはわずか30×80×15mmとなり、狭い場所にも設置できるようになりました。高精度の測定結果が即座に得られるので、プロセス中の連続測定も可能です。液体の密度は温度によって変化します。この影響を補正するために、内蔵された白金抵抗が液体の温度を測定します。

インライン式 液体用密度計 DLO-M2

製品特長

DLO-M2センサはMEMSシステム内の液体の密度を測定します。
MEMSシステムの中で、液体はオメガ型のマイクロチャンネル、いわゆるオメガチップに導かれます。
この髪の毛ほどの太さの小さなシリコンチューブを振動させながら測定します。
サンプルの密度は、この振動の固有振動数から導き出すことができます:媒体が密であればあるほど、振動は小さくなります。
密度センサは、Modbus RTU伝送モードのデータラインを介して、測定データを読み取り装置に送信します。

寸法

液体用密度センサDLO-M2 寸法図 DLO-M2は非常に小型・軽量(約200g)なセンサです。
場所を選ばず容易に設置することが可能です。
サンプルの入口・出口は前部の45度の傾斜部に設置されたM5ネジ穴となります。
※図はDLO-M2_ex。DLO-M2は図中のオレンジ色部(アース用プレート)を撤去した形状となります。

測定可能液体

DLO-M2は測定点における液体の密度とともに、温度の測定に対応します。

【測定対応液体】

 – 塩分(NaCl)濃度
 – 異性化糖 HFCS42、HFCS55、HFCS90
 – エタノール-水濃度
 – メタノール-水濃度
 – グリコール/水混合物* (不凍液等)
 – アドブルー®* (AdBlue®)
 – 過酸化水素(H2O2)濃度
 – 溶存物濃度
 – ガソリン E5、E10、E85
 – 軽油 B7、B10、XTL
 – ジェット燃料 JET A-1、F-35、JP-8
 – M100 (メタノール)
 – イソプロパノール
 – OME* (Polyoxymethylene Dimethyl Ethers、合成燃料)
 – LPG*

*オプションが必要となります

※添加剤などを加える場合は個別に検討させていただきますのでご相談ください
※防爆エリアでの利用や、可燃性液体、炭化水素などの利用は防爆仕様DLO-M2_exをご使用ください。
※ヘリウムガスが発生する環境ではご使用いただけません
※30µm以上の粒子が混入しないようにご使用ください
※ガスの測定についてはDGF-l1およびDLO-M2_exをご参照ください


測定原理

DLO-M2密度センサは流体の密度を測定するために設計されました。
ギリシャ文字Ω(オメガ)形状のマイクロチャンネル(オメガチップ)を内部バイパスに組み込んだMEMSを用いて測定されます。

密度センサに液体が流れると、バイパスの配置によりマイクロチャネル中に圧力勾配が生じながら、液体がオメガチップに到達します。
液体は励起されたセンサの物理的特性(共振周波数と品質)に影響を与え、これらのデータはデジタル化されてマイクロコントローラーで評価されます。
測定値はシリアルインターフェース(RS-485、Modbus)を介して読み出すことができます。

結果として600~1,000 kg/㎥(その他のオプションは製品仕様を参照)の範囲の密度測定を流量0~10 L/hにて実現することが可能です。


オメガチップ

振動マイクロシステムであるオメガチップは、計測システムの心臓部であり、システム全体における測定信号生成の役割を果たしています。 このマイクロシステムの重要な構成要素は、真空中で静電振動されるシリコンチューブ(マイクロチャネル)です。

温度の影響を補正するために白金抵抗が内蔵されており、局所的なリアルタイムの温度検出が可能です。 オメガチップは、基本的に結晶シリコンとガラスで構成されています。

測定原理(オメガチップ)イメージ図
測定原理(オメガチップ)

密度測定

内蔵されたマイクロチャンネルは共振振動に設定され、密度測定に使用されます。

マイクロチャンネルの固有振動数は、質量に依存し、マイクロチャンネル内の流体の密度に依存します。流体の密度が高ければ高いほど、固有振動数は低くなります。つまり、固有振動数は流体の密度の関数となります。

固有振動数の計算式
f=固有振動数、E・I=管剛性、ρTube=管密度、ATube=管断面、ρFluid=流体密度、AFluid=流体断面。

 

 


 

TrueDyne社製 インライン式センサ ラインナップ

●密度計  
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●粘度計  
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●流量計  
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インライン式 液体用密度計 DLO-M2 諸元

密度測定 レンジ 600 ~ 1,000kg/㎥ (オプション:600 ~ 1,000kg/㎥)
精度 ±0.5kg/㎥ (オプション:±[0.2 または 0.0075 × abs (T-25℃] kg/㎥ (計算値が0.2よりも大きい場合)
再現性 ±0.25kg/㎥ (オプション:±0.15kg/㎥)
温度 レンジ 測定対象 -40~60℃
周囲温度 -40~60℃
保管温度 -40~60℃
精度 <0.3℃ (オプション:±[0.15 または 0.005 × abs (T-25℃] ℃(計算値が0.15よりも大きい場合)
再現性 <0.1℃ (オプション:±0.05℃)
使用可能圧力  0 ~ 2 MPa (絶対圧)
使用可能流量  0 ~ 10 L/h (水として)
粒子  サンプル中に30µm以上の粒子を含まないこと
振動  設置位置にて20kHz以上の振動とならないこと
最大測定偏差 温度誤差 ℃ 密度誤差 kg/m3 温度 ℃のグラフ
材質  ハウジング SUS 316L (1.4404)、SUS630(1.4542)
接液部 SUS630(1.4542)、BOROFLOAT® 33ガラス、シリコン、エポキシ樹脂
寸法  30 mm x 66 mm x 15 mm ケーブル、グランド含まず
重量  <200kg
プロセス接続  M5めねじ × 2点
保護等級  IP54
フィルタ  有孔径50µm、焼結青銅製、交換可能
通信  RS485(EIA/TIA-485-A)、独自Modbus RTU
電源 電圧 5 – 13.3 V
最大電流値 26mA
最大消費電力 350mW
組込ケーブル KS-Li9YD11Y 4xAWG 28(Kabel Sterner社製)
組込ケーブル長 3m (最大 30m)

 

 


 

TrueDyne社製 インライン式センサ ラインナップ

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体積管理から質量管理へ

例えば、トラックからタンカーに燃料を移送する場合、標準的には移送された燃料の体積が記録されます。しかし、燃料の密度は圧力や温度によって変化するため、質量について正確な記述をすることはできません。

DLO-M2センサを使用すれば、プロセス中に密度に関する必要なデータを収集し、質量(V-ρ=m)を計算することが可能となります。

体積管理から質量管理へ イメージ図
1. トラックからタンカーへ燃料を圧送する。
2. リットル単位で標準化された容積測定。
3. バイパスラインに設置された密度センサDLO-M2は直接密度を測定します。コンパクトな設計により、プロセスへの後付けも容易に可能です。
4. 密度は体積測定と合わせて、燃料の質量をキログラム単位で算出し、お客様に報告できます。

濃縮度モニタリング

濃縮度モニタリング イメージ図

冷却回路の冷媒はほとんどの場合、エチレングリコールと水の混合液で構成されています。冷媒が凍結しないようにするためには、回路の最低温度によって最適な濃度が決まります。同時に、熱伝導率的に好影響となる水含有量をできるだけ高くすることも目的となります。

では、グリコールと水の混合液の濃度は、どのようにしてプロセスでモニタできるのでしょうか。DLO-M2センサを使用すると、稼働中のプロセスで媒体の濃度を決定するために必要なデータを収集することができます。

1. グリコールと水の濃度計算を統合した密度センサ。
2. 濃度は測定値として直接出力されます。
3. 冷凍プラント向けアプリケーションのための濃度の調整。
4. 工場建屋の屋上に設置された熱交換器。循環されているため、水が蒸発し、冷媒の濃度が変化することがあります。そこで濃度監視にDLO-M2が使用されます。

ビール醸造への利用

 

アルコールは糖をきっかけにして一般的には酵母や特定のバクテリアで発酵によって生成されます。その過程で、炭水化物(糖やデンプン)は二酸化炭素とエチルアルコール(エタノール)に変換されます。これがビールやジンやウイスキーなどの蒸留酒を問わず、すべてのアルコール飲料の基礎となります。

発酵プロセスの進行状況を知るためには、定期的に測定サンプルを採取して分析する必要があります。少量のサンプルでも、発酵プロセスの進行状況を正確に把握することが可能です。

ビール醸造への利用 イメージ図
1. 醸造タンクからサンプルを採取する。
2. 脱気と濁りや浮遊物のろ過によるサンプルの調製。
3. 水中の糖の濃度計算を統合した密度測定。発酵の進行状況を正確に把握することができます。
4. テストサンプルの廃棄。センサの小型設計により廃棄サンプル量は少なく、また不合格品はほぼ発生しません。

品質モニタリング

品質モニタリング イメージ図

液体の密度はその組成に依存します。異なる液体を混合する場合、密度測定によって正しい混合比を確認することができます。例えば、暖房用オイルの場合:法的要件*によると、暖房用オイルに7%のバイオディーゼルを添加することができます。密度センサDLO-M2を使用することで、運転中の暖房用オイルの品質をモニタすることができます。
*日本国内法規ではありません

1. 暖房用オイルの配送用タンク。
2. センサが搬送地点で直接、暖房用オイルの密度を測定する。現場で収集されたデータは適切な媒体が適切な比率で給油されているかどうかを示す。
3. 品質が保証された製品た顧客に引き渡される。

 

 


 

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